民事執行法の改正により強制執行がし易くなる-債務者以外の第三者からの情報取得手続を新設-

2019年5月10日の民事執行法の改正により、養育費等の債権を持っている者や、生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する債権者は、債務者に対する情報を得ることができるようになりました。その結果、給料等に対して強制執行をすることが容易となります。

養育費等の債権を持っている者は、債務者に関する以下の情報を取得できます。

1 金融機関から,預貯金債権や上場株式,国債等に関する情報を取得できる(民事執行法207条)
2 登記所から,土地・建物に関する情報を取得できる(民事執行法205条)
3 市町村,日本年金機構等から,給与債権(勤務先)に関する情報を取得できる(民事執行法206条)

上記の情報を得ることができれば、債務者の預金、不動産、給料債権等を差し押さえできるようになります。


民事執行法
(債務者の給与債権に係る情報の取得)
第206条
 執行裁判所は、第197条第1項各号(一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。 二 知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。)のいずれかに該当するときは、第151条の2第1項各号(一 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務 二 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務 三 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務 四 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務)に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一 市町村(特別区を含む。以下この号において同じ。)
  債務者が支払を受ける地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百十七条の二第一項ただし書に規定する給与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの(当該市町村が債務者の市町村民税(特別区民税を含む。)に係る事務に関して知り得たものに限る。)

二 日本年金機構、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団
  債務者(厚生年金保険の被保険者であるものに限る。以下この号において同じ。)が支払を受ける厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第三条第一項第三号に規定する報酬又は同項第四号に規定する賞与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの(情報の提供を命じられた者が債務者の厚生年金保険に係る事務に関して知り得たものに限る。)
2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の申立て及び当該申立てについての裁判について準用する。

(債務者の預貯金債権等に係る情報の取得)
第207条
 執行裁判所は、第197条第1項各号(一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。 二 知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。)のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一 銀行等(銀行、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、信用協同組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、農林中央金庫、株式会社商工組合中央金庫又は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構をいう。以下この号において同じ。)
  債務者の当該銀行等に対する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。)に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
二 振替機関等(社債、株式等の振替に関する法律第二条第五項に規定する振替機関等をいう。以下この号において同じ。)
  債務者の有する振替社債等(同法第二百七十九条に規定する振替社債等であつて、当該振替機関等の備える振替口座簿における債務者の口座に記載され、又は記録されたものに限る。)に関する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
2 執行裁判所は、第百九十七条第二項各号(一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該先取特権の被担保債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。 二 知れている財産に対する担保権の実行を実施しても、申立人が前号の被担保債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。)のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、前項各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。
3 前二項の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

(情報の提供の方法等)
第208条
 第二百五条第一項、第二百六条第一項又は前条第一項若しくは第二項の申立てを認容する決定により命じられた情報の提供は、執行裁判所に対し、書面でしなければならない。
2 前項の情報の提供がされたときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところにより、申立人に同項の書面の写しを送付し、かつ、債務者に対し、同項に規定する決定に基づいてその財産に関する情報の提供がされた旨を通知しなければならない。

(第三者からの情報取得手続に係る事件の記録の閲覧等の制限)
第209条
 第二百五条又は第二百七条の規定による第三者からの情報取得手続に係る事件の記録中前条第一項の情報の提供に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
一 申立人
二 債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
三 債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者
四 債務者
五 当該情報の提供をした者
2 第二百六条の規定による第三者からの情報取得手続に係る事件の記録中前条第一項の情報の提供に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
一 申立人
二 債務者に対する第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
三 債務者
四 当該情報の提供をした者

日常

前の記事

通天閣
日常

次の記事

ラーメン