不動産は高額なので,これに関する訴訟は数多くあります

1 欠陥住宅とは知らずに購入した場合

2 土地を購入したが,契約書に記載されていた面積より小さかった場合

3 土地の境界線で隣地所有者と揉めている場合

4 建物を他人に貸したが,賃料を支払ってくれない場合

5 賃料を支払っているのに土地所有者から退去を求められた場合など

契約書が重要

不動産に関しては必ずといっていいほど契約書を交わします。

契約法においては契約自由の原則が適用されるので,まずもって契約書の解釈が重要になります。

欠陥住宅

瑕疵担保責任を追及することが多いですが,不法行為責任,債務不履行責任を追及することもあります。

土地を購入したが,契約書に記載されていた面積より小さかった場合

購入後に土地を測量してみると,実際に契約書や登記簿謄本に記載された面積よりも小さかった場合,ただちに代金減額請求ができるわけではありません。土地の売買代金が単価に面積を積算して決まっている場合(数量指示売買)の時に代金減額請求ができます。

土地の境界線で隣地所有者と揉めている場合

境界線についての争い方は,境界確定訴訟と筆界特定制度があります。境界確定訴訟は通常の地方裁判所に提訴しますが,筆界特定制度は,土地の所有者として登記されている人などの申請に基づいて,筆界特定登記官が,外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて,現地における土地の筆界の位置を特定します。前者が司法的解決であるのに対して後者は行政機関による解決です。境界確定訴訟を提起すると,裁判官がまず筆界特定制度を利用するように促すことがあります。

建物を他人に貸したが,賃料を支払ってくれない場合

賃料を支払わないということは債務不履行です。通常,3か月程度の賃料を延滞すると,賃貸借契約の解除をすることができます。それでも賃借人がでていかない場合は,建物退去を求めて訴訟をすることになります。

賃料を支払っているのに土地所有者から退去を求められた場合

賃料を支払い,その他の義務にも違反していなければ,賃借人は退去する義務はありません。ただし,適正な立ち退き料を受け取って,任意に退去するという人も多々おられます。