登記簿を見ると古い抵当権があった

不動産登記簿を見ると,何十年も前に設定された抵当権が残っていることがあります。

抵当権の場合もあれば,根抵当権や所有権移転仮登記,所有権移転請求権仮登記などが残っていることもあります。

既に債務を全額弁済したのに,抵当権の抹消登記手続をするのを忘れていたため,ずっと残っているのです。

抵当権の登記があると,誰も買ってくれないので,売却することが出来ません。

抵当権者がいない?

抵当権者に抵当権抹消の書類を求められればよいのですが,何十年も前の抵当権なので,既に抵当権者がいない場合もあります。

抵当権者がない場合とおおざっぱな言い方をしましたが,いろいろな場合があります。

抵当権者が個人の場合は既に死亡している場合もありますし,死亡しているかどうか分からないが登記簿記載の住所に住んでいない場合もあります。

抵当権者が会社の場合は,既に解散登記がされて存在しない場合や破産して法人格が消滅していることもあります。

抵当権者が銀行の場合は,合併が繰り返し行われて,今どこの銀行に吸収されているのか判然としないこともあります。

どうやって抹消するのか?

既に弁済していても,弁済した証拠(領収書)を紛失してしまい存在しない場合もあります。

また,全額弁済していないが,最後の弁済から10年以上経過しているので,時効により消滅している場合もあります。

その他,いろいろな場合がありますが,抵当権者と連絡が付かない場合,連絡がついても抵当権抹消登記に協力してくれない場合,そもそも抵当権者が破産していて存在していない場合は,抵当権抹消登記を求める訴訟を行うことになります。

抵当権抹消登記を求める訴訟というのは,司法書士と弁護士の両方の経験が必要な分野です。

当事務所の弁護士は,以前,司法書士として登記の仕事をしていましたので,この分野ではノウハウがあります。

古い抵当権,仮登記,賃借権設定仮登記等が残っている場合,ご相談下さい。訴訟手続で抹消出来る場合があります。