債権法改正 保証4

事業に係る債務についての保証契約を締結する場合

事業のために負担した貸金等債務は、相当多額になることがあります。

友人が事業資金を借りるときに、頼まれて仕方なしに保証人になってしまうこともありえます。

個人保証人を保護する観点から、保証人のリスクを十分に伝えて、保証意思を確認させるために、改正法は、個人が保証人になる場合、「事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約、または主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約締結に先立って、1か月以内に作成された公正証書で、保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。」と規定しました(465条の6)。

なお、「事業のために負担した貸金等債務」に該当するかどうかは、借主がその貸金等債務を負担した時点を基準として、客観的・形式的に判断されます。

つまり、借主が事業資金のために借りると説明して融資を受けた場合には、その後事業以外の使途に使われたとしても、「事業のために負担した貸金等債務」に該当すると考えることになります。

逆に、借主が事業以外の目的であると説明して借り入れをした場合や使途を明らかにしないで借り入れをした場合は、その後事業のために使われたとしても、「事業のために負担した貸金等債務」には該当しないと考えることになります。

保証人が個人であっても保証意思宣明公正証書の作成が不要になる場合

個人が、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約、または主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約を締結する場合は、原則として、保証意思宣明公正証書の作成が必要になりますが、例外として、保証人が以下の者に該当する場合は、不要となります(第465条の9)。
これらの者は、保証人のリスクを十分理解していると思われるからです。

1 主たる債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者
2 主たる債務者が法人である場合の次に掲げる者
 イ 主たる債務者の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除く。以下この号において同じ。)の過半数を有する者
 ロ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を他の株式会社が有する場合における当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
 ハ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を他の株式会社及び当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者が有する場合における当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
 ニ 株式会社以外の法人が主たる債務者である場合におけるイ、ロ又はハに掲げる者に準ずる者
3 主たる債務者(法人であるものを除く。以下この号において同じ。)と共同して事業を行う者又は主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者

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